減価償却:定率法から定額法への変更する理由

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減価償却:定率法から定額法への変更する理由

今日は、個人的な勉強も兼ねて少し会計について触れたいと思います。

減価償却とは、企業が長期間にわたって使用される固定資産の取得(設備投資)に要した支出を、
一括で費用化するのではなく、その資産が使用できる期間にわたって費用配分する手続きのことです。

その償却額の計算方法には「定率法」と「定額法」がありますが、
ここ最近、「定率法」から「定額法」に変更する会社が増えています。

日本企業は伝統的に「定率法」

日本企業では、これまで定率法を採用するところが大半を占めていました。
つまり、成長期には毎年巨額の設備投資を行うことも多く、初めにまとまった額を償却することが可能なため、
大きな税務メリットになるためです。

これはどういうことかというと、費用としての償却額が多ければ、それだけ利益は減り、
利益によって決まってくる税金の額も減るということです。
よって、手元にキャッシュが残るので、それを元手にして新たに設備投資を行い、
事業をどんどん拡大していっていました。

しかしながら、グローバル化が進みにつれ、海外の事情に合わせて、
減価償却を定額法に統一する動きが進んでいます。
これは、IFRS(国際会計基準)導入をにらんでいるとしている企業が多いです。

さて、これは本当にそうでしょうか。

国内通信大手にみる、目先の利益追求

2016年4-9月期の決算発表会が3社ともに出揃いました。
その中で増益が目立ったのは、NTTです。

NTTは、2017年3月期、つまり今期に通信設備など有形固定資産の減価償却の方法を定率法から定額法に変え、
実際にIFRSによる決算を行うのは、2019年3月期の予定です。
4-9月期の営業利益は、9,265億円(YoY:+26.3%)。
NTTグループ全体で、今期4,800億円の営業利益押し上げると見ています。

さてこれは何を意味するのでしょうか。

利益が増えると、直近手元にキャッシュが残りやすくなります。
その資金をもとに、現在格安SIM、つまりMNVO事業者等にユーザーを奪われはじめている
通信事業よりも、現在もっとも需要があるとされているライフスタイル系の事業を取りに行くと考えています。

具体的には、現在あるdTVをはじめとしたdマーケットの拡大を行うのではと考えていて、
実際に10月ごろそれらしき商標の取得を行っていました。
http://ja.whotwi.com/trademark_bot/tweets/search?q=NTT

直近の会計基準の変更はグローバル戦略ではない

上記は一例でしたが、もしかすると目先の利益の確保を急いでいて、
その元手により、設備投資や事業拡大、およびM&A等を行うための
資金にするのかもしれません。

事実、2010年3月期より金融庁がIFRSに移行することを企業に認めていますが、
2014年末時点では既に適用している企業と、これから適用すると正式に決めた企業は計52社であったのに対し、
2016年6月末までの1年半で115社に届き、それまでの4年間に比べて2倍以上に増えています。

この動きは非常に興味深いですね。

なお、減価償却資産の償却方法を変更しようとするときは、原則として
、新たな償却方法を採用しようとする事業年度開始の日の前日までに償却方法を変更しようとする理由などを
記載した「減価償却資産の償却方法の変更承認申請書」を所轄税務署長に提出して、
所轄税務署長の承認を受けなければなりません。

変更方法:[手続名]減価償却資産の償却方法の変更の承認の申請|国税庁

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