ECサイトと店舗での売上の食い合い悩んでいる方必見!ArgosにみるV字回復のデジタル経営

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Argosの店舗

多くの小売企業は売上の不振で非常に苦しんでいて、ECサイト、オムニチャネル化、、色々やってみたけど、結局ECサイトと店舗での売上の食い合いも問題になっている…なんていうことも多いかと思います。

そうした時に何か良い事例はないかな?と思ってたどり着いたのが、見事にV字回復を果たしたArgosです。

Argosの概要

Argosのことを簡単に紹介すると、イギリスで1970年代から続く、老舗カタログショールームストアです。
日本で言うホームセンターよりも、もう少し日用品やエンターテイメントの商品を販売しています。
元々はホームリテールグループのグループ会社で、2016年4月には、セインズベリーズという会社(イギリス小売2位)に買収されました。
(のち、ホームリテール事業だけ、オーストラリアのウェスファーマーズという企業に売却しています。)

とても簡単ですが、ポイントとなりそうなデータを下記の通りまとめます。

直近(FY16)の売上高と営業利益

(Million Euro)

売上高 4,095
営業利益 83.1

またチャネル別売上比率は、49%:51% = ECサイト:店舗で、ネット経由の売上の49%のうち、モバイルでの売上高は、28%(YoY+10%)とのことでした。

その他の主要指標

店舗数 845店
来店数 1億2,300万人/年
ECサイトの訪問数 9億7,500万/年
取扱商品数 非食品を中心に約6万点

どのような改革をしたか?

Argosは、2012年10月にデジタル化を推進するための5ヵ年の事業改革プランを策定しました。変えたことは、カタログのデジタル化だけではありません。

ファストトラックサービスというものをやっています。

これは、たとえば自宅やオフィスなどで、スマートフォンやPCからECサイトにアクセスし、商品を注文、それから60秒以内に店舗でピックアップすることができるサービスです。

Argosの商品詳細ページ

また、宅配もこのサービス内で行っており、家具などの大型のものは翌日配送、それ以外の商品であれば、18:00までの注文であれば即日配送をしてくれます。

Argosのファストトラック

単純に読むと、その「早さ」がポイントなのですが、それを可能にするには、在庫のリアルタイムでの把握、流通システムの高度化に加え、何よりも小売界でも有数の店舗数です。

顧客体験の変化

簡単にまとめると、以下の通りでしょうか。

今までの顧客体験

  • 店舗に訪れる
  • 店舗内にある分厚いカタログから、欲しい商品を選んで、注文用紙に記入
  • 注文用紙をもって、会計カウンターでお支払
  • お支払したレシートを受け渡しカウンターで店員に渡して、バックヤードから商品がピックアップされるのを待つ

新しい顧客体験

  • ECサイトか店舗に訪れる
  • ECサイトか店舗内に設置されているiPadで商品を選択して注文と決済
  • 店舗か自宅、オフィスなどで受取る(注文して60秒後にはピックアップ可能!)

ECサイトと店舗の顧客体験を同じにすること

よく店舗の体験とECサイトの体験をどうやったら同じようにできるか、、という課題があると思います。
その際、VR/ARとかを活用して、店舗内を進んでいるようにしよう。という取組が考えられます。

しかしながら、それが成功している事例はあまり聞きません。

Argosが突出しているのは、ここにあります。

まずは、ECサイトと店舗に設置しているiPadは同じUIにしています。また、どの店に在庫があるのかを簡単に確認することも可能です。

argos-digital-pad

そうすると、ECサイト、もしくは店舗から、自宅やオフィス、もしくは客先からの帰り道などに在庫がある店舗を受取先で指定し注文を行えば、顧客は自分の時間をうまく活用しながら、より早く、そして楽に商品を手に入れることが可能になります。

そうしたことから、ECサイト経由で注文し、店舗で受け取られている比率は、なんと8割になるようです。

さらに、店舗もECサイトも、商品のマスタ管理や設計が共通化されているため、顧客体験だけではなく、企業側にも最適なITコスト、そして運用についても同様に最適化されています。

Argosは、デジタル化による小売業界V字回復の成功例

最終的に気になるのは、PLや主要材料ですね。
とりあえず、FY04-FY16まで主要項目(売上・YoY成長率・営業利益・営業利益率・店舗数)をまとめてみました。

(Million Euro)

Argos主要指標

※ FY16の落ち込みは、デジタル化していない既存店舗の売上減少をデジタル店舗がカバーしたようです。

濃いブルーのSales YoYがFY12までに下がり続けていますね。
2012年10月に5ヵ年の事業改革プランを策定するまで、かなり苦戦していたことになりますが、見事なV字回復です。

上記の情報は、下記のExcelにまとめていますので、もし資料なんかでお使いの方はどうぞ。

日本の小売業界でも参考になりそうなことが多く潜んでいそうです。

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