通信キャリア3社の決算が出揃いましたね。12日のKDDIの決算でも、MVNOが「モバイルID数」をけん引していることから、MVNOも近年かなりの成長を見せ、認知度も徐々に高まってきています。
実は通信の自由化、NTTが民営化された昭和60年から考えると、主要な電気通信事業者の売上高は5倍以上にも拡大しています。
直近の契約数の推移は、3大通信キャリアのマーケットシェア動向(2008年~2016年12月)をご覧ください。
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MVNOの近況
MVNOサービスの契約数※は1,485万人(前期比+4.1%、前年同期比+27.7%)、MVNOサービスの事業者数は、16年6月時点では、2016年の前半の時点で580の事業者、今は約600ほどあるかもしれません。
参考:MVNOサービスの事業者数
※ MNOであるMVNOの契約数を除いた数値
MVNOの脱落者
2017年5月、ぷららがこのレースから脱落したことが大きく取り上げられました。つまり、600にも及ぶMVNOの淘汰や統廃合がついに始まったわけです。
国内においては、2016年12月時点でMVNOサービスの契約数※は1,485万人ということですが、前年同期時点は1,152万人、そうするとこの一年で333万人(+30%程度)上昇しているということになります。
つまり、こうした淘汰、統廃合、事業再編等が始まってきていてもおかしくないぐらいの数字になってきているわけです。
そういえば、以前海外のMVNOプレイヤーの脱落者をまとめたことがありました。
少し抜粋してみます。
基本的には、単純なブランド・低価格訴求での失敗
低価格系
Movida
- ヒスパニック系ユーザをターゲット
- プリペイド式の低価格路線でサービス提供コストに耐え切れずに会社更生手続を申請(2008年)
参考URL:Movida turns out the lights: Spanish language MVNO files for bankruptcy
easyMobile
- 端末の販売チャネルをオンラインに絞り低価格路線を追求
- 競合のTescoが同価格帯サービスを提供し、英国・オランダから撤退(2006年)
参考URL:easyMobile Finds MVNO Game Isn’t So, Uh, Easy
ブランド系
amp’d mobile
- Universal Musicの音楽コンテンツ(参考:Universal MusicのAmp’d Mobile Announces $67M In Funding with Investments from Universal Music Group, Highland Capital Partners, Columbia Capital and Redpoint Ventures)でブランド訴求
- 2007/7に撤退
参考URL:有望ベンチャーの末路: Amp’d Mobile
Disney mobile
- Disneyブランドの端末でファミリー層に訴求(家族向けに子供の見守りや利用制限機能等も提供)
- 2007/12に撤退(日本ではSoftBankが2017年まで、docomoは続ける予定)
こんなはずじゃなかったのに!「格安スマホ」のトラブルも約3倍に急増!
さらに、契約者数の伸びとともに、最近はトラブルも多くなっているようです。
2016年度は2015年度と比べ、約3倍の相談件数
とりあえず、数字を列挙してはいますが、事業者と消費者の情報の非対称性が進み、より一層リテラシーが課題になっていますね。。