40倍にもなったカオス化するマーケティング・テクノロジーとどう向き合うか?

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40倍にもなったカオス化するマーケティング・テクノロジーとどう向き合うか?

さて、2016年もそろそろ終わりに近づいて来ましたので、少しまとめっぽい記事を。

2016年12月にガートナー社が、CMOへの予算に関する調査「CMO Spend Survey 2016-2017」を発表しました。

それによると、来年度(2017年度)は、マーケティングのテクノロジー投資がIT部門の投資を上回る予定と回答した企業が57%にもなったようです。

※ 2012年にこの予想をしていました: https://www.gartner.com/webinar/1871515
※ 売上250億円以上の企業、約400社弱の企業を対象に、US&UKのCMO(またはそれに準ずるヒト:以下、マーケティング責任者)への調査結果
※ 最初に断っておきますが、このあと日本企業の例とか出しますが、売上高=売上収益で説明します。実際には会計基準が違いは…割愛させてください。

マーケティング予算の内訳は?

まずはマーケティング予算全体で見ると、売上高のおおよそ「12%」というのが指標になりそうです。
(2014年は売上高の10.2%)

FY2016 マーケティング予算の内訳

より内訳をみると、「人件費:28% > 「テクノロジー:27% > サービス:22% > 広告:22%」と、大きく「これに投資している」というよりも比較的バランスを重要視しているように見えます。

しかし、売上規模の小さい企業群では「広告:29%となっており、「テクノロジー」に対する予算配分は24%と低く、マーケティング予算も減額の方向性にあるようです。
(とはいっても、売上高250億円以上の会社は、あまり小さいとは言えないかもしれませんが…実際に一人当たり売上高で考えると500人なら、500万円/人、1,000人なら2,500万円/人、、、たしかに業種によっては赤字になりそうですね。)

なお、業種別のマーケティング予算の内訳は、「ハイテク:13.3% > メディア:13.0% > 消費財:12.4% > 製造業:11.8% > リテール:11.9% > 金融、交通/運送/医療:11.3%」という内訳になりました。

14のマーケティングカテゴリの中でどこに投資をすべきか?

「いや、全体はそうなんやけど、結局はどこに力入れていたの?」と私自身も思ったので、読み進めてみると、ちゃんと書いていました。

14のマーケティングカテゴリの中でどこに投資をすべきか?

2017年度はマーケティング部門への投資がIT部門への投資よりも上回る

感覚的なお話をしてしまうとよくないのですが、今までこういったデジタル領域への予算といえば、「社内の業務効率化のためにIT部門、情報システム部門へ投資する」という位置づけが多かったように思います。

実際に(データありました。)、IT部門へのテクノロジー投資は売上高の約3.4%もあります。(テクノロジーは、約3.2%)

しかしながら、マーケティングのテクノロジー投資と比べれば、その投資成長率は4倍もの差があり、
2017年には、約0.07%逆転することになりそうです。

なお、上位ランクされているDigital Commerceの分野(ウェブ、モバイル、ソーシャルネットワーク、コマースインフラストラクチャを使って商品やサービスを売買する分野)には、8.5%の投資を行っており、マーケティングの分野においてもB2C(9%)はB2B(7%)よりも高い割合の予算が割かれていることが分かりました。

ちなみに、日本企業で売上高250億円付近の会社といえば?

ミロク情報サービス(約240億、約1,260名)、アサヒロジスティクス(約250億、約3,700名)、VINX(約270億、約1,250名)、クルーズ(約280億、約420名)あたりでしょうか。ちなみに、カルビーはフルグラだけで250億もあるそうです。。

マーケティング・テクノロジーのソリューション数は6年で約40倍に!

今年3月にあった「MarTech USA 2016」の基調講演で、主催者のScott Brinker氏が発表した最新版のMarketing Technology Landscapeがこちらです。

Marketing Technology Landscape 2016

…もはや見えないぐらいカオスですね。

2010年に約100社程度であったベンダーは、2016年版では約3900社まで達しました。

前年比87%増のマーケティング・テクノロジーのソリューション数になり、6個のクラスター(大きな括り)と49個のカテゴリ(小さな括り)に分けられています。ちょっと画像が見づらいので、箇条書きですがクラスターとカテゴリを書き出してみます。

マーケティング・テクノロジー:6個のクラスター+49個のカテゴリ

  • Advertising & Promotion(広告宣伝)
    • Mobile Marketing:モバイル向け広告
    • Display & Programmatic Advertising:ディスプレイ広告、プログラマティック広告
    • Search & Social Advertising:検索エンジン、ソーシャルメディア広告
    • Native/Content Advertising:ネイティブ広告、コンテンツ連動型広告
    • Video Advertising:動画広告
    • Print:印刷物
    • PR:プレスリリース
  • Content & Experience(コンテンツ、ユーザー体験)
    • Mobile Apps:モバイルアプリ向けマーケティング
    • Video Marketing:動画プラットフォーム
    • Interactive Content:双方向コンテンツ
    • Email Marketing:メールマーケティング
    • Content Marketing:コンテンツマーケティング
    • Optimization, Personalization & Testing:最適化(個人向けとテスト)
    • DAM & MRM:デジタル資産管理、マーケティングリソースマネジメント
    • SEO:検索エンジン最適化
    • Marketing Automation & Campaign/Lead Management:マーケティングオートメーション、キャンペーン及びリード管理
    • CMS & Web Experience Management:コンテンツ管理システム、Webシステム管理
  • Social & Relationships(ソーシャル、リレーションシップ)
    • Call Analytics & Management:電話営業分析、管理
    • ABM:アカウント・ベースド・マーケティング(Account Based Marketing)
    • Events, Meetings & Webinars:イベント、打ち合わせ、オンラインセミナー
    • Social Media Marketing & Monitoring:ソーシャルメディア・マーケティングとモニタリング
    • Advocacy, Loyalty & Referrals:ロイヤルティ・プログラム、紹介支援
    • Influencers:インフルエンサー(影響者)
    • Community & Reviews:コミュニティ、口コミ
    • Feedback & Chat:意見収集、チャット
    • Customer Experience, Service & Success:ユーザー体験、カスタマーサポート
    • CRM:顧客関係管理
  • Commerce & Sales(e-Commerce、セールス)
    • Retail & Proximity Marketing:小売り、オンサイト・マーケティング
    • Channel, Partner & Local Marketing:チャネル、パートナー、地元密着マーケティング
    • Sales Automation, Enablement & Intelligence:セールスオートメーション、営業支援と分析
    • Affiliate Marketing & Management:アフィリエイト・マーケティング、管理
    • Ecommerce Marketing:e-Commerce マーケティング
    • Ecommerce Platforms & Carts:e-Commerce  プラットフォーム、買い物カゴ
  • Data(データ活用)
    • Audience/Market Data & Data Enhancement:見込み顧客、市場データ、データ補完
    • Marketing Analytics, Performance & Attribution:マーケティング分析、業績評価、アトリビューション分析
    • Mobile & Web Analytics:モバイル、Web行動分析
    • Dashboard & Data Visualization:ダッシュボード、データの可視化
    • Business/Customer Intelligence & Data Science:業績及び顧客の分析、データ・サイエンス
    • iPaaS, Cloud/Data Integration & Tag Management:統合サービス、クラウド/データ統合、タグマネジメント
    • DMP:データ管理プラットフォーム
    • Predictive Analytics:予測分析
    • Customer Data Platforms:顧客データ・プラットフォーム
  • Management(経営管理)
    • Talent Management:人材管理
    • Product Mgmt:製品管理
    • Budgeting & Finance:予算と財務
    • Collaboration:チーム作業
    • Projects & Workflow:プロジェクト管理とワークフロー
    • Agile & Lean Mgmt:アジャイル開発とリーン開発の管理
    • Vendor Analysis:ベンダー管理

TealiumのCTO Mike Anderson氏は、先日のDigital Velocity 2016の講演の中で、企業は平均して20以上のテクノロジーを利用していると言っています。

そして、こんなことも言っています。

企業は平均して20以上のマーケティングテクノロジーを活用しているが、これらを連携できないことがクリティカルな課題になっている

たしかにそれらを連携できるTealiumのようなプラットフォームは、今後重要性を増す可能性ありそうです。

が結局は、それを使いこなすことができるか?という運用面とも表裏一体なので、何よりもそうした人材が重要になってきそうですね。

今後のマーケティング責任者/担当者に必要な知識

というわけで、総合的に(少し無理やり)まとめてしまうと、マーケティング責任者や担当者は、もちろんデジタル時代のマーケティング手法もそうですが、よりP/L等の会計知識に加え、売上へのコミットメントが大きなテーマになって来そうです。

というのも、ほとんどの責任者がマーケティング予算を持っているはずです。
※ ガードナーの調査でも90%近くのヒトが予算責任を持っていると答えています。(なお、2012年には64%でした。)

今後のマーケティング責任者に必要な知識

マーケティング責任者の75%近くが、マーケティング部門もP/L責任も持っているそうで、P/L責任がないヒトよりも平均20%高い予算を持っているそうです。

そう考えると組織のパワーバランスにおいても、CMOが持つ責任は極めて重要になってきそうですね。
(下記図は、CMOがCEOにレポートしていること)

CMOがCEOにレポートしていること

そうすると、バックグラウンドの知識としてマーケティングや会計だけではなく、売上を上げる仕組みづくり、組織づくりなど、より今までよりも複合的な知識や経験がベーシックにないと厳しい時代になっているとの見方もできそうです。

最後に、、ガードナーの資料を詳しく見たいかたは、こちらのフォームからリクエストを送るとPDFを取得できます。
(決して回し者ではありませんmm)

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