明日からあなたもネット書店長?「じぶん書店」から見る出版業界

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明日からあなたもネット書店長?「じぶん書店」から見る出版業界

講談社は、スマートフォンを使って自分の電子書店を開設できるブラウザベースのサービス「じぶん書店」を4月に提供開始すると発表しました。サービスシステムの開発・運営は株式会社メディアドゥと共同で行うそうです。

株式会社講談社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:野間省伸)は、スマートフォンだけで自分の電子書店を開設できるブラウザーベースのサービス「じぶん書店」を 4 月にリリースいたします。サービスシステムの開発・運営は株式会社メディアドゥ(本社:東京都千代田区、代表取締役:藤田恭嗣)との共同で行います。
書店開設を希望されるユーザーは会員登録を行い、講談社が展開している電子書籍約 32,000 点の中から売りたいタイトルを選び、推薦コメントを入れるだけで、簡単に自分の電子書店を開設することができます。開設に費用は一切かかりません。
販売促進活動のメインは SNS。簡単にシェアできる機能を提供します。
ブラウザーベースのサービスなので、シェアされた記事を見た人がその書籍に興味を抱いたら、アプリをダウンロードする等の手間もなく、すぐに試し読みが可能です。その場で会員登録をすれば購入もできます。
電子書籍が売れた場合、10%のアフィリエイトコインが書店運営ユーザーに振り出されます。このコインは電子書籍の購入や、書店の拡張にも使えるほか、エクスチェンジサービスと連携しているので、他のポイントやマイルに替えることも可能です。
サービスリリース時には、講談社から作品を出版している作家の皆さまの書店や、編集者の書店も開設予定です。将来的には他の出版社の作品や、動画や音楽等のデジタルコンテンツも取り扱っていくことを
想定しております。是非新サービスにご期待ください。

スマートフォンを使って自分の電子書店を開設できるブラウザベースのサービス「じぶん書店」

スマートフォン経由で簡単開店

「じぶん書店」の開設に費用は一切なく、販売したい電子書籍を講談社が発売している雑誌・書籍・コミックなどあらゆるジャンルの電子書籍約32,000冊から選択して、推薦コメントを入れてオープンすることができるそうです。

ここまで見ると、楽天のROOMに似ているかもしれません。

1件の売上あたり10%のアフィリエイトコインが獲得できる

獲得したコインは電子書籍の購入や書店の拡張になどに使用できるとのことでした。AmazonのKindleの8%と差別化した数字でしょうか。将来的には、他の出版社の本や動画、音楽などのデジタルコンテンツも取扱うそうです。

日本の電子出版市場規模は1,826億円(2015年)

というわけで、恒例の市場トレンドをみてみましょう。

インプレス総合研究所

電子出版の市場規模(インプレス)

出版科学研究所

インプレス総合研究所と出版科学研究所によると、2016年の日本の電子出版市場規模は1,909億円(YoY:+27.1%)

どうやら、二つの企業で考え方が違うようです。インプレス総研の調査では、電子出版専業の出版社や電子書籍関連の各種ウェブサービスなどを含めているそうなので、便宜上、インプレス総研のデータを元に少し話を進めてみます。

というわけで、2015年度の日本の電子出版市場規模は1,826億円。雑誌:242億円(13%)、文字もの:308億円(17%)、コミック:1,277億円(70%)となりました。

日本の紙書籍市場規模は1兆5,220億円(2015年)

日本の紙書籍市場規模は1兆5,220億円(2015年)
こうしてみると、1996年の最高売上から徐々に下がり始めていますね。

インターネットの影響でしょうか。

約8万冊/年、約220冊/日もの新刊書籍が出版されている飽和市場

新刊書籍の出版点数:8万954点

そこで、新刊書籍の発行部数はどうかというと・・・

ちょっとデータとして活用しようとした「日本の長期統計系列」は2012年3月で更新作業を終了してしまっているようなので、「出版点数」に置き換え、2005年分以降は「日本統計年鑑」を使用します。紙のものはあまり参考にならないですが、電子化が進むとおそらくこちらのデータが重要になることを見越してでしょうか。

  • 出版点数=今発行している出版物のタイトル別の数
  • 発行部数=今発行している出版物の発行数

61年:新刊書籍の出版部数(1954-2014年)

新刊書籍の出版部数

とんでもなく細かいですね。。もう少しフォーカスしてみます。

20年:新刊書籍の出版部数(1995-2014年)

20年:新刊書籍の出版部数(1995-2014年)

せっかくなので、まとめたデータ貼ります。ご自由にお使いください。

新刊書籍の出版部数データ(1954-2014年)

出版流通の仕組み(取引形態)

余談ですが、、数字は変わっている可能性はありますが、大枠流れは変わっていないはずなので出版流通の仕組みも紹介します。

(例)単価1,000円の書籍を1,000部出版し、500部売れた場合の資金の流れ

(出版社:取次:書店の取り分=70:8:22の場合)

出版流通の仕組み(取引形態)

※ 経済産業省商務情報政策局文化情報関連産業課「コンテンツ産業政策」

今回グラフ化しているのは、市場規模は書店、新刊発行部数は出版社のところですね。

2015年で比較する紙vs電子書籍の市場規模

少しわかりづらくなったので、まとめますと2015年の市場規模は、

  • 紙:1兆5,220億円(雑誌:7,419億円 49%、書籍:7,801億円 51%)
  • 電子:1,826億円(雑誌:242億円 13%、書籍:1,585億円 87%)
  • 合計:1兆7,046億円(雑誌:7,661億円 45%、書籍:9,386億円 55%)

大きな違いは、まだ電子出版では雑誌の電子化は進んでいないことがわかります。

とはいえ、最盛期の1996年では、雑誌:15,633億円 59%、書籍:10,931億円 41%であったことから、もしかしたら電子出版の業界はここをベンチマークすることが間違っている可能性もあります。

まだ業界自体が新しいのでなんともいえませんが、とはいえ新規出版部数は年々上昇傾向にあるのに、紙書籍の市場を電子書籍の市場がカバーできていないということは、出版という業界が業態を今回の「じぶん書店」のようにサービスそのものを変えていく必要性がありそうなのは言うまでもないですね。

まだまだ気になることだらけですが、今日はこの辺で。

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